こんにちは。京都オフィスの重永です。
突然ですが、「返報性の法則」という言葉をご存知でしょうか?
デパ地下などで試食したら、その商品を買わないと悪いような気になってしまうアレです。
これは好意を受けた相手には、何かでお返しをしないと負い目を感じてしまう心理が働くからです。
この好意に対して好意で応えることを、英語では「Reciprocal liking」=「好意の返報性」と呼びます。
日本語版Wikipediaには「返報性の原理」として載っています。
この「好意の返報性」はマーケティングでもよく使われる心理テクニックになります。
先ほどの試食販売もそうですが、来店特典の付いたDMやら誕生日などのグリーティングDMもそうですし、ネット通販などで商品に同梱されている手書きのお礼状などもそうですね。
また、ネット上でたびたび任天堂カスタマーセンターの神対応が話題になりますが、これも一種の「好意の返報性」と言えるでしょう。
手厚いカスタマーサービスは、顧客を自社のファンにし、ファン化した顧客のロイヤリティーはますます高まります。
※任天堂カスタマーセンターの神対応の数々はNaverにまとめられています
先日、弊社で制作させていただいた企業様の「会社案内」に、企業理念は「先義後利」と掲げられていました。
この言葉、出典は『荀子』栄辱篇の「先義而後利者栄、先利而後義者辱」で、「義を先にして利を後にする者は栄える」、すなわち、利を求めるのは後回しで、まずは道義を優先せよということで、京都の老舗百貨店・大丸でも、この言葉を営業方針の根本に据えていたりします。
よく「損して得取れ」などとも言われますが、経営の神様・松下幸之助の名言にも『商売なんて、最初は無料で奉仕するつもりでやれ。』というものもありますし、これもまた人間心理として「返報性の原理」が働くが故のことなのでしょう。
最初から大きな儲けは出ないかもしれないけれど、いずれは必ず大きな利益をもたらすものだからこそ、こうした心得を経営方針にされている企業も多いということだと思います。
ところで、先日、堀川商店街にある某ショコラティエで商品を選んでたら、いきなり子連れのご婦人がやってきて、子供と一緒に試食のチョコを全種類一通りバリバリ食って、結局何も買わずに出て行かれました。
そのありさまはまるで嵐が通り過ぎて行ったかのよう。
お目当ての商品がなかったからのようですが、そこまで食ったんなら、せめて何か買ってから帰ろうよと、他人事ながら思う事しきり。(苦笑)
「好意の返報性」も厚かましいおばちゃんの鉄壁ガードには全く通用しないものなのかもしれません…。
ちなみに、「好意の返報性」があれば、その逆、「悪意の返報性」もあるそうです。
「嫌だな、苦手だな」と思っている相手には、相手からも同じように思われている可能性大。
逆に考えるとよくわかるでしょう。自分のことを嫌っている相手のことを好きになれますか?
普通はその人のこと敬遠したくなるものですよね。
この話もいろいろ面白いのですが、長くなりそうなので、続きはまた今度。
では、今日はこの辺で失礼します。