こんにちは。
京都オフィス重永です。
これまでに何回か続けている「企業におけるWEB対策」のお話、前回、全体を俯瞰したので、今回から個々のWEBマーケティング手法について、解説していきたいと思います。
最初は「SEO(検索エンジン対策)」です。
しかし「SEO」を語る前に、その対策される「検索エンジン」について知っておかないと、本当の意味での「SEO」が分からないままで終わりそうな気がします。
ということで、今回は検索エンジンのお話しです。
検索エンジンと言えばGoogle。
世界でのシェアは90%を超え、シェア2位のbingが2.91%、中国では圧倒的シェアを誇る百度(Baidu)でさえ1.01%と、インターネット界の絶対的巨人と言っても過言ではないでしょう。
※参考:Search Engine Market Share Worldwide
しかし、そのGoogleも検索エンジンとしては決して古参ではありません。
Googleの誕生は1998年。
私がパソコン通信を始めたのが1996年、インターネットに繋がったのが1997年ですから、なんと、それよりも後。
まだ成人式も迎えてない企業なのですね。
Google以前のその頃、ウェブで情報を探そうと思うと、よく使われていたのは、やはりYahoo! JAPANだったように思います。
ちなみにYahoo! JAPANの誕生は1996年。
ところがYahoo! JAPANでサイトを検索すると、表示されるのは、基本的にYahoo! JAPANのディレクトリに登録されたサイトのみ。
しかも、サイトのタイトル順に表示されるという…。
そのため、サイトのタイトル名の頭に「@」などの記号を付加したり、「AAA」などの無意味な文字列を追加して、検索結果の上位に表示されようとするウェブマスターたちの涙ぐましい努力が行われていました。
ある意味、これがSEOの始まりと言ってもよいのではないかと思います。
もっともこの当時は検索するよりも、リンクをたどって思わぬサイトに出会うといったいわゆる「ウェブサーフィン」的な使われ方も多かったです。まだ、インターネットが実用的なものというより趣味のものに近かった。
正直、その頃のYahoo! JAPANでは、「いざ」という時にはあまり役に立たなかった。
そこへ颯爽と登場したのがgooです。
1997年に誕生したgooは、米Inktomi社の検索エンジンとNTT研究所の日本語解析技術をミックスして、当時としては日本語サイトに対応した使えるロボット型検索エンジンを生み出しました。
「ロボット型検索エンジン」とは、Yahoo! JAPANのディレクトリのように、人力で分類を行う「ディレクトリ型検索エンジン」とは異なり、インターネット上に多数あるサイトを日々収集して回るロボット(クローラーなどと呼びます)によりウェブサイトがデータベース化され、検索された時に独自のランキングで検索結果を表示する検索エンジンのことです。
これが結構便利なため、インターネットで検索と言えばgooみたいな時期が続き、やがてYahoo! JAPANの検索結果にもgooの検索結果が表示されるようになりました。
それが1998年。
しかし、gooの検索結果は、だんだん使えないようになっていきました。そうSEOの本格化です。
気が付けばgooの検索結果の上位に、お呼びでないサイトがずらりと並ぶようになりました。
当時のロボット型検索エンジンはあまり賢くなかったので、対策されたサイトが検索意図と関係ないサイトでも上位に並びやすかったのです。
そうした状況の中、誕生したのが、使える検索エンジン「Google」だったのです。
Googleの誕生が先に記したように1998年。Google日本語版の登場が2000年です。
その翌年には、Yahoo! JAPANが検索エンジンをGoogleに乗り換えました。
その後はあれよあれよという間にGoogleの天下になっていき、gooですら2003年には、その中の検索エンジンをGoogleに変えてただのポータルサイトになってしまいました。
2004年には、Yahoo! JAPANがGoogleをやめて独自検索エンジンYSTを採用し、Googleの天下に反旗を翻しますが、日本だけではどうにもならず、結局2010年にはYahoo! JAPANの検索エンジンをGoogleに戻します。
世界の検索エンジンシェア2位のBingはというと、その源流はWindowsのマイクロソフトが提供していたポータルサイトMSNに至ります。
MSNの検索エンジンとしてMSNサーチという名で誕生しました。
それが1998年。なんと、Googleと同い年です。
OS戦争、ブラウザ戦争に勝利し、PC界の覇権を握ったマイクロソフトも、検索エンジン戦争ではGoogleに勝利できず、紆余曲折しながら虫の息で今もなんとか命脈を保っています。
ちなみにこのBingの源流MSNサーチも、ベースとなったのはgooと同じく米Inktomi社の検索エンジンです。
ひょっとしたら、このInktomiがGoogleになっていたかもしれないと歴史のifに思いを馳せてしまいますね。
なんだか、昔話みたいになってしまいました。
これが年を取ったということでしょうか。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。