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マーケティングモデルの変化

2017.01.10

変化していく時代

こんにちは。京都オフィスの重永です。

 

先日、某所にて電通総研のメディアイノベーション研究部より講師の方をお迎えしての「広告市場の動向と印刷市場展望」という講座が開かれました。

 

私は直接聴講してはいないのですが、講座内容をまとめた記録を拝見させていただく機会があり、大変興味深く読ませていただきました。

 

皆さまの中には、他業界の業界レポートなんか、興味ないよとおっしゃる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、その中にある「マーケティングモデルが変わってきていますよ」と語られている部分については、おそらく現代において社会人として活動をされているすべての方が知っておいて損のない話だと思います。

 

単にマーケティングモデルが変わってきたというだけの話ではなく、スマホの普及もあってインターネット・SNSが消費者にとって非常に身近なものになってきた時代のコミュニケーションのあり方というところにまで関わってくる話です。

 

そんなマーケティングモデルが変化してきた現代社会と、次世代コミュニケーションのあり方について、2回に分けて考えてみたいと思います。

 

まず今回は、「マーケティングモデルの変化」についての話です。

 

 

■マーケティングモデルの変化:「AIDMA」から「AISAS」へ

「AIDMA(アイドマ)」とは、人があるモノを知ってから購入に至るまでの心理的プロセスをまとめたマーケティングモデルで、それぞれ下記の5段階のプロセスの頭文字をとって「AIDMAの法則」と呼ばれています。

 

Atension 注目 注意を惹く
Interest 関心 興味を持たせる
Disire 欲求 欲しい・やりたいと思わせる
Memory 記憶 記憶にとどめる
Action 行動 行動を起こさせる

 

現在もこのマーケティングモデルが通用しなくなったわけではありませんが、インターネットが普及する以前に主流であった消費行動モデルとされています。

 

テレビや新聞などのマスメディアを活用するような場合には、このモデルに沿ったマーケティング戦略が今も有効です。

 

これが、インターネット・SNSの隆盛により人々の行動が変わり、「AISAS」というマーケティングモデルが提唱されるようになりました。

 

「AISAS(アイサス)」は、下記の5段階のプロセスの頭文字をとったもので、「Attention(注意)」と「Interest(関心)」まではAIDMAモデルと同じですが、その後が異なります。

 

Atension 注目 注意を惹く
Interest 関心 興味を持つ
Search 検索 検索して調べる
Action 行動 行動を起こす
Share 共有 誰かに伝える

ちなみにこの「AISAS」という言葉は電通の登録商標です。

 

AIDMAとAISASとの大きな違いは何かというと、行動部分が拡大していることです。

AIDMAからAISASへ

 

AIDMAは、「Attention(注意)」→「Interest(関心)」→「Disire(欲求)」→「Memory(記憶)」までが心理変容フェーズで、行動フェーズは「Action(行動)」のみ。しかもそこで終わりです。

 

一方、AISASはというと、心理変容フェーズはAIDMAと重複する「Attention(注意)」→「Interest(関心)」までで、「Action(行動)」の前後に「Search(検索)」と「Share(共有)」というプロセスが増えて行動フェーズが拡大しています。

 

消費者は購入という「行動」の前にネットで「検索」して情報を仕入れ、自身の購入行動の判断材料とするばかりではなく、行動後にもBlogやTwitter、InstagramなどのSNSでその体験を「共有」=情報発信するようになったのです。

 

そしてその「共有」=情報発信は、それを受信した人の「行動」へと影響を与えるという循環を生み出しています。

 

つまり、情報を発信し、多くの人へ影響を与えるという行為が、以前のようなマスメディアの専売特許ではなくなっているということです。

 

スマホ

 

もちろんインターネット登場以前も個人的に情報発信している人がいなかったわけではありませんが、その影響力が及ぶ範囲はほとんどの場合、限られた範囲に留まるものでした。

しかし、インターネット・検索エンジン・SNSという情報を容易に拡散可能な仕組みが出来たことにより、一個人からの情報発信であっても、場合によってはマスメディア以上の影響力を持つこともあり得る時代になったというわけです。

 

匿名ブログから発信された「保育園落ちた日本死ね」が、昨年の流行語大賞トップテンに選出されたのも、ある意味このような個人からの情報発信が社会に大きな影響を及ぼすようになった時代を象徴していると言えるでしょう。

 

現代はインターネット・SNSが消費者の生活と非常に密接なものとなった時代です。
スマホの普及により、本人はそうと意識していなくても、インターネット・SNSが消費者の手の中に存在している状況です。

そうした時代には、マーケティングにしろ、広報・PRにしろ、危機管理にしろ、そのことを前提とした対策・戦略を立てておく必要があります。

 

次回は、そうしたSNS時代における消費者との関係、次世代コミュニケーションのあり方について考えてみたいと思います。

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